心脳問題Request For Comments
Mind-Brain Request For Comments
心脳問題RFC#11
自律的に創発する境界を用いた言葉の意味の説明のモデル
Received 2000.5.17, accepted 2000.6.2
この論文の数式を含む全文は、
http://www.csl.sony.co.jp/person/khajiri/main.pdf
を参照して下さい。
=========
自律的に創発する境界を用いた言葉の意味の説明のモデル
羽尻 公一郎
SONY Computer Science Labs.
khajiri@csl.sony.co.jp
はじめに
言葉の意味を説明するのは難しい.ここで使う"意味"という単語は言語学で言う
セマンティクスではなく,主観的な感覚でのそれである.例えば,"シンクロニ
シティ"という言葉の意味が誰かにとって不明であるとき,彼もしくは彼女はし
ばしば関連する他の言葉を探して当該の言葉の言い換えを試みる.例えば,シン
クロナイズとか,同時的発生などに.計算論的な観点からは,この言い換え行為
は無限退行をひき起こす.なぜならば,記号論の言うように言葉の意味は当該の
言葉と他の言葉の関係に置いてのみ成立するからである.さらには,意味のわか
らない言葉は完全に他の言葉で置き換えることは不可能であると,ソシュールが
"差異の体系としての言語の意味"から述べている事実もある.しかしながら,人
間は実際にはこのような言葉の言い換えの無限退行には陥らず,適当な所で言い
換え行為を停止する.これは認知的な資源の制限や言語認知モジュールが他の認
知モジュールと複雑に関連していることに基づく.
ともあれ,全ての認知モジュールの複雑な関係を全て記述することは殆んど不可
能であり,さらには認知的な資源の制約はア・プリオリに外部から与えられるべ
きではない.
ここで,私は新しい無限退行の自然な停止の計算モデルを提案する.それは自律
的な境界の創発計算である.自律的境界創発計算は元々郡司ペギオ幸夫によって
提案されたものであり,郡司はオートポイエーシスの概念に触発されてその計算
を思うに至った.それは自然な無限退行の停止を提供する基本機構であり,私は
その計算理論を1次元セルラーオートマタに適用することにより,自然な言い換
えとその停止を含めた言葉の意味の説明モデルを開発し,シミュレーションに成
功した.
以下,1章を導入とし,2章では言葉の意味の説明過程についてのより詳しい考察
を行ない,3章で自律的に境界を創発する計算モデルについて説明する.4章では
その計算モデルを用いて実際に言い替えのプロセスをシミュレートした結果につ
いて述べる.さらに5章で本論文全体の考察を行ない,6章をむすびとする.
第1章
構造主義言語学の遺産の一つは,言葉(単語)の意味は他の言葉との差異によっ
て保証されるという主張である.つまり,言葉の存在理由は他の言葉と異なると
いうその事自身によって支えられるのである.一方,ウィトゲンシュタインの提
唱した言語ゲームの概念は,言葉によって言葉を説明するという自己矛盾を明確
にし,言語の``外''を示したことが重要である.
ここに,ある言葉の意味を巡る会話の例を示す.Aは関西人,Bは関東人で,
関西では流通していない「スカす」という言葉の意味の説明に関する会話である.
[A]「スカすってどういう意味?」
[B]「うーん,カッコつけてるというか,すましているというか...」
[A]「じゃあ,厭味なカッコよさってこと?」
[B]「えーと,そうとも言えなくて,もっと小憎らしさが含まれるというか...」
この会話は,「スカす」という言葉の類義語,もしくは同義語を探す過程であり,
一般的には「スカす」という言葉を他の言葉で{\bf 言い替える}作業の時間発展
である.この例では2者間での会話という形式であるが,言い替え作業は会話に
のみ存在するわけではない.例えば読書をしていて判読はできるが意味が不明瞭
な単語に遭遇した場合などは,一人で言い替えを行なうことでその不明瞭性を解
消しようとする場合がしばしばある.
厳密な計算論的,意味論的視点からは,この言い替えは無限に継続する.なぜな
らば,先に述べたように言葉の意味は他の言葉との差異によって保証されるため,
当該の言葉(上記の場合は「スカす」)は他の如何なる言葉でも完全に言い替え
ることが出来ないからである.しかし,実際の会話は無限には継続されず,程度
の差こそあれいずれ終了する.これはひとつには,認知能力,認知資源の有限性
や,人間が常に緊密に環境に埋め込まれているためである.つまり,言い替えを
続けることに疲れたり,他の要因が影響して会話を中断せざるを得なくなるなど
が,実際に起こるからである.
一方,上記のような認知の有限性,環境への埋没性などだけではなく,純粋に意
味論的な観点からの収束もあり得る.つまり,十分に言い替えを行なった結果,
認知主体が満足する,言い替えればある種の言葉の関係ネットワークに境界
(boundary)を自律的に作ることである.具体的に言えば,言葉の関係ネットワー
クにおけるあるノードを参照し,そのノードに対応する言葉の意味を調べる為に
近傍のノードを参照する.そして,参照した近傍のノードに対応する言葉の意味
を調べる為にさらに近傍のノードを参照する,という活動をどこで停止するかが,
言葉の関係ネットワークに境界を設けることである.この場合の,言葉のネット
ワークの境界は如何にして決定されるのかが本論文の注目するところであり,こ
の境界の自律的生成を計算論的に確立することが,本論文の目標である.
以下,2章では言葉の意味の説明過程についてのより詳しい考察を行ない,3章で
自律的に境界を創発する計算モデルについて説明する.4章ではその計算モデル
を用いて実際に言い替えのプロセスをシミュレートした結果について述べる.
さらに5章で本論文全体の考察を行ない,6章をむすびとする.
第2章
本章では言葉の意味の説明過程の認知的特性と,言葉の意味について考察する.
・言葉の意味への2つのアプローチ:外延的意味論と無限退行的意味論
言葉の意味を記述する試みは,大きく二つの流派に分かれる.一つは,言葉の意
味を支えるより大きな構造に依存するというものである.例えば,語の意味は文
に,文の意味は文脈に,文脈の意味は世界に,という具合である.このアプロー
チを以下では外延的意味論と呼ぶ.外延的意味論はウィトゲンシュタインの言語
ゲーム論のみならず,行為と単なる動きの差異や,意志/意図の起源などあらゆ
る人間の認知活動の意味づけを外界へと求める.一方,言葉の意味を言葉により
記述するというアプローチは,内部観測であり無限退行を誘発する.しかし,こ
のアプローチの優位な点は,言葉の意味を言葉でのみ記述するため,雑多な外延
は必要としない点である.以下,このアプローチを無限退行的意味論と呼ぶ.無
限退行的な意味は,次節で述べる主観的質,すなわちクオリアとしての言葉の質
と一致する.
・意味=言葉のクオリア
「赤の赤らしさ」などの主観的な質に関する議論は,クオリア問題と呼ばれてい
る.この問題は,クオリアそのものが絶対に他者と交換不可能であることから,
哲学的には脱構築を要求される問題である.例えばある人AとBで色のスペクトル
の脳内処理が全く逆転し,赤が青に,青が赤に見えていても,外界の同じ色に対
してAとBが同じ表現をする限り,永遠にクオリアの差異が表出しない.
また,クオリアも行為や意図と同じく,その存在論を考えると無限退行に陥る.
入不二はクオリアの存在論的特性を,「充填し得ない空所性」と呼んでいる.前
章で挙げた言い替えは,この「充填し得ない空所性」を充填しようとする無限退
行活動であると捉えることが出来る.以下のプログラムは入不二の主張するクオ
リアの存在論に関する無限退行をprologを用いて表現したものであり,その実行
結果のトレースも含んでいる.入不二の主張するクオリアの存在論では,その存
在を肯定する立場と否定する立場の無限退行が起こる.
そしてクオリアの特性は感覚器から入る様々な情報のみならず,言葉に対しても
付随する.言葉は脳内で処理される表象としても存在し,また外在する音声や文
字としても存在するが,そのいずれもが知覚の対象であることから,知覚に付随
してクオリアが発生するのである.つまり,言葉の内容も主観的な質として把握
されるのである.これは最終的に知覚された言葉の表象から脳という知覚システ
ムの内部が発生させるクオリアであり,内部に退行する形で存在するクオリアで
ある,すなわち,言葉の感覚に付随する感覚をもとに形成される,内部観測的ク
オリアである.これは無限退行の保持するクオリアであると言える.つまり,無
限退行的意味論においては言葉の意味は言葉のクオリアであると主張できる.
・言い替えシステムの記述方法
さて,外延的意味論と無限退行的意味論は完全に排反するものであり,その接点
を見出すことは不可能なのであろうか.我々はこの2つの意味論は,単に視点の
違いの問題であると考える.その視点とは,事前的か事後的かの違いである.
外延的意味論は発話などの行為が起こった結果,つまり事後からその意味を同定
しようと試みる意味論であり,無限退行的意味論は発話などの行為が起こる原因
を記述しようとする意味論である.そして,言い替えをシステムとして記述する
場合は,後者の無限退行的意味論によるアプローチが必要である.すなわち,シ
ステムの動作原因をシステム内部の固有の要素により記述するべきなのである.
また,無限退行的意味論は外延的意味論に比べてシステム論の観点から優位であ
るという根拠は,他にも存在する.例えば,かつて心理学において心の存在を捨
象した行動主義のSR理論パラダイムがKoestlerのホロンという新たなシステムの
概念によって打破されたように,言語ゲームの概念は意味の主体への含有を捨象
しているために,主観的な質としての言葉の意味=クオリア意味論によって打破
される.
このように,言い替えという行為による言葉の意味の獲得/蒸着は,言い替え行
為を行なうシステム固有の特性により,システム自身の理由づけでその動作を規
定しなければならない.これは,オートポイエーシスシステムとして言い替えシ
ステムを記述することを要請する.
オートポイエーシスシステムの特徴は以下の3点に集約される.
1.システムの動作は初期値に先行する.
2.境界はシステムが自律的に決定する.
3.システムには入力も出力もない.
この3つの特徴はいずれも常識的なシステム論からの理解は難しいが,あえて説
明すると,(1)とはシステムには暫定的な初期値は存在しても,システムが自律
的に境界を決定する能動性をもっているため,結局初期値と呼べる状態は事後的
にシステムが動作した結果から同定するしかない,という意味である.(2)は,
生命システムや自己言及システムの一般的な特徴であり,特に詳しい説明は必要
ないであろう.(3)は過激な主張でありオートポイエーシスシステムの特徴の最
大のものであるが,その真意は,システムの内部と外部の境界を自己決定するよ
うな高度に環境とインタラクティブなシステムにおいては,どこまでが内部でど
こからが外部というような定性的な指定は出来ず,故に境界の指定が出来ないた
め入力と出力の同定も不可能であると言う主張である.
このようにオートポイエーシスシステムは極めて高度な自律性と自己決定性を持っ
たシステムであり,本稿でこれまで主張してきた言い替え行為,およびその根底
にある無限退行的意味論との親和性が極めて高い.そこで本研究においては,言
い替えシステムをオートポイエーシスシステムの亜種として記述することとする.
第3章
本章では自律的に創発する境界の計算モデルについて説明する.
・エレメンタリーセルラーオートマトンとWolfram規則
システムを記述するもっとも基礎的な方法は,状態機械と等価なセルラーオート
マトンを採用することである.これは,現在の計算機がチューリングマシンを基
礎としていることからも妥当性が保証できる.セルラーオートマトンのうち最も
基礎的なものが,1次元2進数の配列に対して時間発展規則を定義するエレメンタ
リーセルラーオートマトン(ECA: Elementary Cellular Automata)である.ECAの
うち最も時間発展規則が単純なものは左右1近傍と当該するセルの3つのセルに対
して1ステップ後の状態を決定するものである.すなわち,a_i^{t+1} \gets
f(a_{i-1}^t, a_i^t, a_{i+1}^t) である.ただし,a_i \in \{0, 1\},tはシス
テムの離散時間であり,i = 1, 2, 3, ・・・ n,a_0,a_{n+1}=randomである.
Wolframはこの最も単純なECAの時間発展規則全てについて網羅的に統計分析を行
なった.本論文でもこの最も単純なECAと時間発展規則を採用し.またWolframの
提案する規則(状態遷移規則)の命名方式をそのまま採用する.
・ニュートニアンパラダイムの拡張
郡司らは90年代初頭に永続的不均衡としての生命の基本モデルを,セルラーオー
トマトンを用いて実現している.郡司らの研究の重要な主張の一つに,ニュート
ンによってもたらされたニュートニアンパラダイムに対する批判がある.端的に
言えば,時間的に非可逆なニュートニアンパラダイムの拡張を行ない,時間的に
可逆な力学系を考えることが,生命システムや認知システムの記述において重要
であるとの主張である.郡司らはこの主張にのっとり,多対一の規則関数に対す
る一対多の逆関数規則を構築する方法を提案し,永続的不均衡のモデルを構築し
た.本研究においても,自律的に境界が創発される背景には,こうした逆関数規
則が重要な役割を担うと考える.これは,オートポイエーシスの基底のひとつで
あり,従来の状態指向かつトップダウン的なシステムの記述では,自律性や創発
性を記述できないとする考えである.
しかし,一対多の逆関数を生成する規則\cite{Pegio7}は,そのままではシステ
ムに適用できない.なぜなら,同語反復になるが,一対多という性質から如何に
して一つの逆関数規則を選び適用するかが明示的でないからである.そこで,何
らかの制約の導入が不可欠となる.先の郡司らの永続的不均衡モデルでは,ハミ
ング距離という位相空間において最も端的なメトリックが採用されている.本研
究でもこの端的さに注目し,同様の戦略をとることとする.
* * ** * ** ** * * * **
** *** * * ** *** * *
** * ***** * * * ** *
* * ** * *** *** **
***** * ** ** ** * *
* *** * * * * * **** *
** ************ *** *
* * * * **
********* *** *
* * * ** *
*** *** *** *
* * * * **** *
*** *** *** *** * **
* * * * * ** *
*** ** ** *** *** * **** *
* * ** *****
*** *** * * * * *
* **** ** *** *
*** * * * ***
* * *** ** ** *
*** *** * * * ** *
* **** *** *** * **
*** * * ****
* * *** **** * *
★Wolfram規則$f_{22}$によって形成されるパターン.縦方向に時間,横方向に
配列の次元が対応する.``*''はセルの値の1を,空白は0を表す.
・言葉とセルの対応
今回シミュレートする言い替えのための語彙はWordNetの``act''とその類義語/
同義語とした.
このようにして得られた26の類義語/同義語をそれぞれ前節の2進数1次元配列
a_nに割り当てる.すなわちこの場合,n=26である.セルの値が1の場合にその単
語が想起された状態とし,0の場合は想起されていない状態を示すこととする.
第4章
本章では前章で提案した自律的に境界を創発するアルゴリズムの実装とその動作
結果について説明する.
・実装
前章で提案したアルゴリズムはUNIXワークステーション上に実装した.
実装スペックは以下の通りである.
CPU: Pentium II 333MHz
OS: Linux 2.0 (RedHat-5.2)
使用言語: C言語
ランダム関数: メルセンヌ・ツイスター
Wolfram規則: f_{18},f_{22},f_{54},f_{126},f_{146},f_{182}
使用語彙: WordNet ver 1.6から抽出(前章参照)
・動作結果
プログラムの実行結果の1例を以下に示す.またその次に対応するパターン表示
例を続いて示す.この実行例の場合使用したWolfram規則はf_{22}である.
*** 0th step ***
official document, performance,
reflection, reflexion, cognition,
knowledge
*** 1st step ***
process
*** 2nd step ***
process
*** 3rd step ***
process
★実行例}
* * ** **
*
*
*
★実行結果のパターン表示例.縦方向に時間,横方向に配列の次元が対応する.
``*''はセルの値の1を,空白は0を表す.
実行例では,最初に``act''をofficial document, performance, reflection,
reflexion, cognition, knowledgeなどに言い替え,最終的にprocessという言葉
に言い替えて収束,すなわち境界の形成がなされている.このように実装された
システムにおいては,計測結果を統計的に分析したところ,遅くとも5ステップ
以内に収束が起こり,境界が形成されることが判明した.
第5章
本章ではこれまでの経緯を踏まえて,本稿で提案したアルゴリズムおよびその動
作結果について考察する.
・どれほどオートポイエーティックか
本論文で提案し実装したシステムは,無限退行的意味論に基づく言語運用モデル
の一つとして捉えることが出来る.従来より言語運用に関しては様々なモデル,
すなわち力学的モデル,活性伝搬モデルなどが提案されてきたが,本モデルはこ
れらのモデルと異なり,ア・プリオリな設定が極端に少ない.つまり,暫定初期
値とWolfram規則の選択以外の如何なる外的要因も要求せず,システム自体に内
在する固有の力学法則(それはニュートニアンパラダイムを拡張した時間的可逆
法則である)に依存して動作が決定される.これは,オートポイエーシスが要求
するシステム仕様をある程度満たすものである.
本論文で提案したアルゴリズムは,暫定初期値をもとにしてシステム固有の境界
を創発した状態に収束することが統計的に示されている.この結果はこのシステ
ムが,無限退行を停止させる一般的機構として適用できる可能性を示唆している.
・言い替えのシミュレーションのリアルさ
今回実装したモデルは,シミュレーションの統計的分析結果から,言い替え回数
は高々5回程度であることが確認されている.これは,はたしてどこまで人間の
リアルデータと対応するものであろうか.
人間の場合,1章でも述べたように自律的に境界を作って言い替えを停止する場
合と,環境への埋没,認知的資源の有限性などによる停止の2通りの収束の仕方
が考えられる.本研究では前者の場合に限定しているため,人間のリアルデータ
の一部としか対応しないと思われる.これは,今後モデルを拡張するにあたり,
環境依存性や資源の有限性などを盛り込むことで,解決可能であると考えられる.
これは今後の課題としたい.
第6章
本論文では,言葉の意味の説明に関する考察を行ない,言葉の意味の説明過程が
無限退行に陥らない計算論的メカニズムとして自律的に創発する境界を用いたモ
デルを提案した.
今後の課題として,以下のような事柄が挙げられる.
ECA以外の状態機械への本アルゴリズムの適用
一般的無限退行停止エンジンへのシステムの拡張
語彙の割り当て方法の改良
本研究では最も単純なシステムの記述方法のひとつであるECAを採用したが,こ
れを拡張しさらに一般化したモデルを構築する必要がある.つぎに,前章でも述
べたように,本稿で提案したアルゴリズムは無限退行の停止機構のひとつとして
捉えることが出来るので,一般化したモデルを構築することによって一般的無限
退行停止モデルとしての用途が期待できる.
また,今回は1次元2進数の配列のひとつひとつに単語を割り当てるという方法を
採用したが,例えばWordNetの頻度データとハミング距離との相関を持たせたよ
うな割り当て方法も考えられる.その場合,生起確率と想起の関連性などをもた
せるなどの拡張が考えられる.
参考文献
郡司 ペギオ=幸夫 and 今野 紀雄 and 中村 隆志,
自己創出系と2つの時間,月刊 地球,1991,vol.13,No.5
中村 隆志 and 郡司 ペギオ=幸夫,自律的境界,
月刊 地球,1991vol.13,No.8
郡司 幸夫 and 今野 紀雄,自己言及と自律的境界,
数理科学,1991 vol.3,No.336
郡司 幸夫 and 長島 知正,生物学的自律性とその形式化,
計測と制御,1990, vol.29,No.10
Norio Konno and Yukio Gunji,
Mathematical Construction of an Autonomous Artificial Life,
Applied Mathematics and Computation,1991, vol.46
Yukio Gunji,The Algebraic Properties of Finite Cellular Automata,
Physica D,1990, vol.41
Yukio Gunji and Norio Konno,
Artificial Life with Autonomously Emergin Boundaries,
Applied Mathematics and Computation,1991, vol.43
Yukio Gunji and Takashi Nakamura,
Time reverse automata patterns generated by Spencer-Brown's modulator:
invertibility based on autopoiesis, BioSystems, 1991 vol.25
郡司 幸夫 and 中村 隆志,自己創出系の他者性, 生物科学,1991 vol.43
Stephen Wolfram, Statistical Mechanics of Cellular Automata,
Review of Modern Physics, 1983 vol.55
Stehen Wolfram, Computation Theory of Cellular Automata,
Communications in Mathematical Physics, 1984 vol.96
Ludwig Wittgenstein, Tractatus Logico-Philosophicus,
Routledge & Kegan Paul, 1921
Ludwig Wittgenstein, Philosophical Investigation,
Nasil Blackwell & Mott, 1953
東 浩紀, 存在論的,郵便的,新潮社, 1998
茂木 健一郎,脳とクオリア,日経サイエンス社,1997
入不二 基義,Qualiaの不在,科学哲学,1997, vol.30, No.11
Arthur Koestler, The Ghost in the Machine,
Hutchinson & Co. Ltd.,1967
野矢 茂樹, 哲学の謎,講談社,1998
Humberto Maturana and Francisco Varela,
Der Baum Der Erkenntnis, Editorial Universitaria,1984
Christiane Fellbaum,WordNet,MIT Press,1998
Matsumoto and Takuji Nishimura,
Mersenne Twister: A 623-dimensionally equidistributed uniform
pseudorandom number generator,
ACM Transaction on Modeling and Computer Simulation,1998,
vol.8, No.1
(C) 羽尻公一郎 2000